C.Tips08: Windows Terminalのススメ
◆始めに
Macのターミナルアプリのように,Windowsには,Windows Terminal というターミナルソフトがある.
UbuntuをインストールすればUbuntu専用のシェルウィンドウが起動するが,Windows Teaminal( 以降WT )からもUbuntuを起動することができる.
WTを使うと,1つのウィンドウの中にWindows PowerShellや,Ubuntu,DOSコマンド,その他WSLでインストールした他のOSをタブで開くことができる.
計算機実習IではUbuntuウィンドウで必要かつ十分だが,今後PowerShellなどと混在で使う可能性を考えれば,WTを最初から使っておくのも悪くないだろう.
◆Windowsの2つのシェル
まず,WindowsにはWindowsのシェルがあるという話をしよう.
実は,Windowsにはシェルが2種類存在する.そしてそれを使うためのウィンドウがそれぞれある.
a. Windowsコンソール:Windowsの前身であるMS-DOS時代から続くいわゆる「DOS窓」と言われる.
昔ながらのDOSコマンドやそれを使ったバッチファイルが実行できる.
シェルの本体は"cmd.exe" →コマンドプロンプト(黒いDOS窓)が立ち上がる
※ Winキー + r → "cmd"入力 → Enterで起動する
https://gyazo.com/79c5af2c54f604513af611015b58dce6
b. パワーシェル:Windows7から標準搭載された,強力なスクリプト言語をもつシェル.
実行本体は"powershell.exe"
https://gyazo.com/79186b420afea249589c054fc68e1e8d
これらはもともと別種類ウィンドウで起動していたものだった.が,Windows11の最近のバージョン(22H2以降)では,すべてWindows Terminal上で起動するようになっている.
◆Windows Terminalの登場
「Windows Terminal」(本体は "wt.exe" )は,上記複数のシェルを切り替えたり,追加したUbuntuのシェルを呼び出したりできる端末ソフトだ.
※2021年にver1.11がリリース.2024年5月時点で最新ver 1.19 .
▼▼ WTの実行画面.Ubuntu, PowerShell, コマンドプロンプトをそれぞれタブで起動し,さらに起動メニューを表示させている
https://gyazo.com/eae4ecb99751e378efa8d3264982a7f2
特徴としては設定の自由度がある.
呼び出すシェル毎に背景色やフォントを変更できる
WT起動時のシェルを選べる( デフォルトはPowerShell )
これ一つでシェルを切り替えられるのはとても便利.
今後使用するUbuntuでも,このwtを使ってカスタマイズしつつ活用するのも楽しいだろう.
◆WTの起動
Windows11の"2022 Update(22H2)"以降のバージョン( 大抵の諸君は大丈夫 )なら,WTが標準装備され,なにもしなくてもWTがシェル用ターミナルになっている.
※それ以前のバージョンの場合は,インストールする必要がある( 次節参照 ).
WTはシェルを起動すれば自動的に起動する.
方法1: Winキー+x の管理メニューに「ターミナル」が表示されていれば,それがWindows Terminal.
https://gyazo.com/7c1831564806fad9a99d023ac44d236a
※面白いことに,このメニューで"Windows PowerShell"を選んでも,WTが起動する.
方法2:上のメニューで「ターミナル」が見えない場合.
Winキー → "wt"と入力 → WindowsTerminalのアイコンが見えればそれを起動.
https://gyazo.com/53a8d13867e693d673aff963ad6aa497
◆WTでUbuntuを起動する/カスタマイズする
WTは,デフォルトではPowerShellが立ち上がる.
その右側「+」タブの右の「V」メニューを開くと,そこからUbuntu24.04を選ぶと別タブにUbuntuが起動する.
https://gyazo.com/4a109905ba54b136224da05849660931 https://gyazo.com/4d8ea5f1adcb921e5349aa5471346a61
WTの設定で,デフォルトシェルをUbuntuにしたり,シェルごとの色やフォントの設定を変更できる.
★豆知識★ PowerShellから直接Ubuntuを呼び出して起動することもできる.
PowerShellのプロンプトでubuntu または wsl と入力するとどちらもそのウィンドウでUbuntuが起動する.
1. ubuntuの場合,起動後にホームディレクトリに移動する
2. wsl の場合,最後にいたPowerShellのディレクトリのまま,Ubuntuのシェルが起動する
3. どちらもexit コマンドで,Ubuntuシェルが終了して元のPowerShellに帰る
※ホームディレクトリ等については,計算機実習Iで実習するのでわからなくても構わない
◆WTのインストール
もし上記の方法でWTが見えない/起動しない場合,WindowsStore からインストールする必要がある.
Windows Terminalのインストールは簡単.
Microsoft Sroteを起動
→ windows terminalを検索
→ 入手ボタン
でOK.
https://gyazo.com/e294204e08924232a4d26865754a4c7e
◆WTをWindowsの既定ターミナルにする
上述のように最近のWindows11ならWTが標準のシェルターミナルになっている.
が,OSのUpdateの状態によっては既定になっているにもかかわらず,WTがインストールされていないケースも報告されている.
確認方法:設定 > システム>開発者向け
→ 「ターミナル」欄が「Windowsに決定を許可する」になっていればOK
しかし22H2以前だったりすると,手動でWTを既定ターミナルにする必要がある.
以上.お楽しみください.
2024/5/22